ネットフリックス(Netflix)で配信されている海外ドラマ『ブリジャートン家(英題:BRIDGERTON)』。
ジュリア・クイン(Julia Quinn)のベストセラーロマンスノベルが原作で、19世紀イギリスを舞台に名門貴族ブリジャートン家を中心とした恋愛ストーリーが描かれていきます。
2025年9月現在、シーズン1~3(1シーズン各8エピソード計24話)が配信されており、レーティングはそれぞれ、シーズン1「16+(性描写、性的暴行)」、シーズン2「16+(性描写、ヌード)」、シーズン3「16+(性描写)」。
すでに続編となるシーズン4の配信が決定しているほか、前日譚とも言える内容の外伝「クイーン・シャーロット~ブリジャートン家外伝~(英題:QUEEN CHARLOTTE a BRIDGERTON story)」も配信されているなど、人気の高い作品です。
『ブリジャートン家』を楽しめるのはどんな人?
個人的に、このドラマを楽しめるのは次のような人だと思っています。
恋愛ドラマが好きな人
このドラマで描かれているのは1800年代初頭のロンドン社交界ですので、現代から少なくとも200年くらい昔の時代になる訳ですが、
- 愛より家柄や爵位を優先して相手を選ばなければならない
- 兄弟姉妹のように感じてきた相手が恋愛対象へと変化していく
- ある出会いをきっかけに新たな恋愛の形を知るようになる
- 出会った時には最悪だったはずの相手同士がやがて惹かれ合っていく
など実に様々な恋愛模様が描かれていて、現代人にも十分楽しめる、共感できるストーリーになっていると思います。
原作小説では、ブリジャートン家4男・4女、計8人を主人公とした恋愛物語が描かれているようですが、個人的に、まだドラマで描かれていない人物の恋愛がどんなお話になるのか早く知りたいです。
外国の歴史や文化に興味がある人
自分が『ブリジャートン家』を観るようになったきっかけは、他人に勧められたから。
恋愛もののドラマを観ることの少ない自分にとって、恐らく自分で積極的に見ようとする機会はなかったであろう作品のひとつです。
(自分が一番好きなドラマのジャンルは推理もの・犯罪ものなので…。)
『ブリジャートン家』を観るように勧めてくれたのは、歴史好きが高じて日本に来たというアメリカ人の知り合いの方。
(そんな彼女のもうひとつのおススメはミュージカル『ハミルトン(英題:HAMILTON)』でした。)
海外ドラマ『ブリジャートン家』の時代はハノーヴァー王朝時代、国王ジョージ3世の治世ですが、(同時代のアメリカが舞台の『ハミルトン』を思わせるような)斬新な人物設定となっているほか、王宮や庭園、貴族の屋敷、そして豪華絢爛な衣装の数々など、歴史や文化に興味がある人にとって見どころの多い作品だと感じています。
また、結婚市場やデビュタントに始まり、貴族の爵位など欧米の文化を垣間見ることができるのもポイントのひとつ。
貴族のような階級社会に関する文化・習わしは、欧米のドラマの中で(現代が舞台でも)時々でてくる内容だと感じているので、こうして改めて知る機会を持ててラッキーだなと実感してます。
(アメリカのドラマに出てくるイギリス人キャラが貴族の出で爵位を持っていたり、とか…。)
実際に以前読んだ洋書の中で、登場人物のひとりが貴族階級に属している、つまり上流階級出身であることを示唆するのにデビュタントに言及するといった場面があったのですが、『ブリジャートン家』を観た後だったこともあり、その意味が理解できました。
恋愛ものはあまり好きなジャンルではないからと、食わず嫌いすることなく見てみて本当によかったと思っています。
『若草物語』が好きな人
恋愛もののドラマはあまり見ない自分でも楽しめた『ブリジャートン家』ですが、なぜ楽しめたのかなと改めて考えてみたところ、

自分の好きな本と共通点があるからかも…?
そんな風に思うことが。
物語の中心となるブリジャートン家の兄弟姉妹(4男4女)は、男女問わずに仲の良い兄弟姉妹でいつも賑やかな大家族ですが、彼らのうちの姉妹4人を見てみると、
- 妹たちの模範になろうといつもきちんと考えて行動しようとする長女ダフネ(Daphne)
- 社会の求める「結婚して家庭に入り子供を育てる」女性像に批判的な次女エロイーズ(Eloise)
- 物静かで口数も少なくピアノを弾くのが好きな三女フランチェスカ(Francasca)
- 姉たちのデビュタントにいつも興味深々でいる四女で末っ子のヒヤシンス(Hyacinth)
こうして見るとなんだか、ルイザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott)の著名な小説『若草物語』に出てくるマーチ家の4姉妹、
- しっかり者の長女メグ(Meg)
- 知的で男勝りな次女ジョー(Jo)
- 控えめで物静かな三女ベス(Beth)
- おしゃまな四女で末っ子のエイミー(Amy)
彼女たちが思い出されてくるのは自分だけでしょうか…?

そうか、好きでよく読んでいた『若草物語』のマーチ姉妹にそっくりなんだ…!
そう感じるようになってからは、ますます『ブリジャートン家』の兄弟姉妹が好きになったし、その関係性にも注目するようになりました。
まとめ
このような人はきっと楽しめる海外ドラマ『ブリジャートン家』。
ベストセラーロマンスノベルが原作ですが、父と息子、母と娘のような親子の愛情と確執、兄弟姉妹の絆や親友との友情・ライバル関係など、恋愛以外の人間関係もたくさん描かれています。
なので自分のように、

恋愛ドラマはちょっと苦手かも…。
そんな方にも楽しめるポイントがたくさんある作品だと思います。
またブリジャートン家をはじめ、いろいろな人物が出てくることもあり、共感できたり自分に近いなと感じたりするようなキャラクターを見つけられるのではないでしょうか。
自分が一番気になっている登場人物、それはストーリーの語り部も担っているミステリアスな人物、レディ・ホイッスルダウン(Lady Whistledown)。
社交界のゴシップを暴いた『社交界新聞』を発行する正体不明の人物で、彼女(彼?)が一体誰なのか、推理しながら物語を追っていくのも楽しみ方のひとつです。
ただ個人的には、このレディ・ホイッスルダウンの正体について、

「永遠に謎のまま」という選択肢もありそう…??
ドラマを観ながらそんな考えが浮かんできて、その正体が明かされる日は来るのかなと感じたときも。
恋愛、家族、友情、歴史、文化、ミステリーなど本当にいろいろな視点から楽しめるドラマだと思います。

